糖尿病から回復し、セキュリティスタッフで警備員として社会復帰を果たした金崎隊員。
実は、重度の糖尿病により両足切断の手前までいっていました。
そこから回復し、隊員として活躍するまでの"ほんのちょっといい明日"を叶えた隊員さんのお話。
遡ること約二年前。
弊社キャディの早川に連絡が。
(※キャディとは、新人隊員一人ひとりに付くサポート係の内勤スタッフのこと)
電話に出ると「セキュリティスタッフで働きたいという人がいる。でも、ご本人は悩み事があって…」という紹介の電話。
この"ご本人"とは、金崎隊員のことでした。
面会場所は三重県。
早川はすぐに車を走らせ、その日の午後に金崎さんと面談。
しかしその場所は、自宅でも喫茶店でもなく、"病院の一室"でした。
退院間際の病室のベッド。
そこに座る金崎隊員は、少し自信がなさそうに小さくなっていました。
話を聞いていると、両足切断になりかけるほど重度の糖尿病生活を送っていたとのこと。
奇跡的に回復し、今はすっかり体は元通り。だが、どこか自信がない。
雑談をしながら金崎隊員の緊張を解きほぐしていく早川。
少しして金崎隊員の口から本音がこぼれる。
「しばらく働いていなかったから…自信がないんです。本当に自分に、働けるかどうか…。」
金崎隊員の自信のなさは、これが原因でした。
そこで早川は、金崎隊員と警備員のカンタンな動作を一緒にやってみせます。
旗の振り方、目線の動かし方、簡易的な片交…。
すると、徐々に顔が明るくなっていく金崎隊員。
その時の彼は、自信を取り戻しつつあるように見えました。
早川は金崎さんにある言葉を投げかける。
「今はまだここまで。でも、元通りの生活に戻るため、頑張れますか?」
ここで再び、金崎隊員の顔に陰りが見えました。
数年の入院生活。
その日々が金崎隊員の頭をよぎりました。
ベッドで横になり動けない自分の身体とは裏腹に、社会はすごいスピードで進んでいっているのを感じていた日々。
それと同時に、そこから目を背ける様にして過ごしてきた自分の姿も。
「元通りの生活に戻るため、頑張れますか?」
キャディ早川の声に、思わず答えに窮してしまう。
動きを止めた金崎さん。数秒あけて、
「頑張ります」
その後、名古屋へ引っ越してきてセキュリティスタッフの寮に入寮した金崎隊員。
最初のうちはスマホの使い方や現場での動きについていけずに戸惑っていました。
叱られることもしょっちゅう。
ですが、「頑張ります」といった彼の決意は固かった。
病室での日々に終止符をうち、もう一度踏み出す決意をした金崎隊員は簡単に社会復帰できたわけではありません。
沢山のスタッフや現場の先輩隊員たちの協力も経て、ようやく「スタートライン」へと立ちました。
金崎隊員はもうすぐ警備員として二年目を迎え、今日も現場で活躍しています。